魅惑の声 ～ラジオパーソナリティの秘密～

250話

「将来がどうなるか、今はわからないけど、もしそんな日が来るなら、嬉しいと思う」私は心にもないことを言った。実際、心の中では、そんな日が来るとは全く思っていなかった。

嘘をついている私とは対照的に、紫雲は真剣に私の言葉を聞いていた。彼女が少し嬉しそうにしているのが感じ取れた。

「その日が来るのを待っているわ」

……

翌朝早く、私がまだ熟睡していたとき、刀疤がやって来て部屋のドアをノックした。紫雲がドアを開け、刀疤が私の布団をめくり上げるまで、私は彼が来ていることに気づかなかった。

「何時だと思ってるんだ、まだ寝てるなんて。時間がないぞ、早く帰るぞ！」刀疤は厳しい顔つきで私に言った。

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