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175話

ここまで話が進んでしまうと、実はもう他の話をする意味もあまりないんだよな。結局のところ、これらの話題は夜になってからでないと話せないことばかりだから。

銀行から出る時、その女性も私を見送ってくれた。彼女を見ると、なかなか味わい深い女性だと感じた。

軽く微笑んで手を振り、「さようなら」と言って、そのまま出てきた。

外に出ると、深く息を吸い込んだ。なぜだか、今回の融資がやけに簡単に感じられて仕方なかった。

こんなに簡単に融資が受けられるなら、高雪はなぜこんな厄介ごとを私に押し付けたんだろう?

よく考えてみると、この疑問はどうにも解せないものだった。しかし今となっては、この疑問も当たり前の...