魅惑の声 ～ラジオパーソナリティの秘密～

105話

張倩にはずっとこういう悪ぶった性格があった。これまで、張倩のこういう悪ぶった性格については、実は私はかなり好きだった。

だが、好きは好きでも、多くの場合、こういう自分が好きなものが、逆に自分に向けられる武器になることもある。

今の張倩は、まさに私が好きなその悪ぶった性格を私に対して向けてきていた。

私にとっては、確かに少々厄介なことだった。

さっきすでに笑顔を隠したのに、今さらまた笑顔を見せるわけにもいかない。

だから、私は沈黙を選んだ。

顔は真面目な表情を保ったまま、何も言わなかった。

張倩は手を伸ばして私の顎に触れながら言った。「坊や、どういうつもりなの？お姉さんをなめてるってこと？ほら、...