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962話

その男の気持ち悪い舌が、私の妻の白く美しい頬を這い回っていた。妻は必死に首を振って逃れようとするが、二人の体は密着していて、逃げ場などなかった。

何度も力なく拒絶を試みた末、悲しいことに妻の瑞々しく魅惑的な赤い唇は、ついにその男の口に捕らえられてしまった。

男は強引に、横暴に自分の唇を妻の魅惑的な唇に押し付け、荒い息を吐きながら、すぐに舌先を伸ばして妻の唇に侵入しようとした。その勢いは、妻の歯の隙間まで無理やり開けようとするかのようだった。

この上ない嫌悪感に、妻の清らかな唇はあちこちと逃げ惑う。男は妻の顎をつかんで指先に力を込め、顎の力を抜かせると、その隙に舌を歯の隙間に滑り込ませた。...