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954話

男が妻の首筋や耳たぶにキスをしている時、妻は必死に平静を装い、何も起こっていないふりをしていた。だがそのような刺激の中で、もはや無表情を演じることさえできなくなっていた。

たとえ表情に出してしまえば、それが屈服を意味し、この男に征服されたことになると分かっていても。

敏感な首筋や耳への愛撫に、妻はなすすべがなかった。言葉にできないしびれるような快感が、敏感な首筋や耳から体の中心部へと猛烈な勢いで伝わっていく。

実はこれほど強い反応を示したのは、単に耳の周りだけが刺激されていたからではない。見知らぬ男の逸物に押し広げられ、突かれている濡れた秘所も、この瞬間まるで燃え盛る炎のようだった。

妻は自分...