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863話

「レンズに近すぎる、つるつるに光る禿げ頭が映っている。年配の男がカメラを確認した後、ゆっくりと後ろに下がる。これで携帯のカメラ機能が起動していることが分かる。

同時に、それが机の上に立てかけられていることも。

画面を見ていると、もう一人の男がベッドの端に座っている。この小さな部屋の中で落ち着かない様子で、あたりを見回している。

その男は二十六、七歳くらいだろうか。短髪で若々しく、少し太り気味だが、部屋にいる林志山と比べれば、かなり痩せて見える。

むしろ私の注意を引いたのは、ベッドの上で意識もなく横たわっている女性だ。黒髪は肩くらいまでの長さで、私の妻のような長髪ではない。横向きに寝ているため、...