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508話

「性というのは本来、最も素晴らしいものだ。私と妻がまだそれを楽しめる年齢にあるなら、思う存分楽しみ、その中に浸るべきだろう。

家庭や生活に影響を与えない前提で、この素晴らしい味わいを好きになってしまったようだ。結局、時間は年々あっという間に過ぎていく。私と妻が老いた時、過去の生活を振り返った時に、平凡な日々の塩や油、そして単調でつまらない毎日の生活以外に、何も深い記憶がなく、この人生で狂ったように楽しんだことも、大胆に刺激的なことをしたこともなかったとなれば——。

それはなんと悲しい人生だろうか。

私の思考は千変万化していたが、体の興奮と強烈な刺激感は、まるで荒波のように何度も私を打ちのめして...