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27話

「じゃあ寝取られたんじゃなくて、彼女の男を寝取ったってことじゃないか?」江深は気まずい雰囲気を和らげようと、冗談を言った。

黎安はそんな冗談に乗るつもりもなく、彼を睨みつけて、小声で言った。「誰が誰を寝取ったっていうの……」彼女は今でも覚えている。初めて義兄と関係を持ったとき、半ば強引に迫られたことを。なのに義兄ときたら、すっかり忘れてしまったかのようだ。

まあいい、身を任せたものは仕方ない。姉が男の同僚に自分を寝かせるようなことをするなら、自分も姉に対してそれほど申し訳なく思う必要もないだろう。

彼女は江深に尋ねた。「昨日言ってた、これからは私一人だけを抱くって本当?」

シャツのボタ...