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87話

夜が更け、10時。

楚修のオフィス。

大きな窓際に、鉄狼が楚修の側に姿勢を正して立っていた。

そして鉄狼の隣には、もう一人の男が頭を下げて立っており、体が微かに震えていた。明らかに怯えている様子だった。生死の闘技場で楚修に恐怖を植え付けられた劉滔である。

「お前に一つ仕事を与える」

楚修の声は淡々として、冷たさを帯びていた。

「ご命令とあれば!」

劉滔は楚修の口調に漂う冷気を感じ取り、心臓がドキリと鳴った。慌てて返事をした。

「お前の部下を連れて、今すぐ省都の洪州へ行け」

「半月以内にお前の縄張りを作れ。できなければ、自分で始末をつけろ」

楚修の声は極め...