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78話

「火鹰」。

楚修は少し考え込み、その名前を思い出した。確かに彼は二年間、自分の近衛龍衛として仕え、後に軍功により千戸に昇進した者だ。

「許可する」

「はっ!龍帥しばらくお待ちください。すぐに彼をお連れします。彼は南城に来てから、龍帥の召喚命令を待ち続け、一歩も離れようとしませんでした」

鉄狼はそう言うと、すぐに踵を返して部屋を出て行った。

五分後。

鉄狼の姿が再び執務室の入口から現れた。ただし今回は、引き締まった顔立ちの凛々しい青年が後ろに続いていた。きびきびとした軍服姿で、肩には輝く将星を一つ付け、少将の階級を示している。

わずか二十六歳で副軍級少将になるとは、間違いなく軍の...