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61話

翻日後、晴れ渡る空の下。

午前九時四十五分。

雪竹林グループ本社ビルの前に、三台の高級車と一台の平凡な大衆車が停車した。

高級車から降りてきたのは呂勇斌と林紫、そして呂家の交渉役幹部チームだった。一方、その大衆車から現れたのは質素な黒い上着を身にまとった白髪混じりの老人。

その顔には、官僚特有の威厳と厳格さが自然と漂っていた。

「甘知事、どうぞ」

呂勇斌は車から降りるとすぐに甘鳳祥の側へ歩み寄り、腰を曲げて案内した。

「小呂、呼び方に気をつけなさい。私は知事ではなく、代理知事だ」

甘鳳祥が口を開いた。

「はっはっは、甘知事はご冗談を。その『代理』の二文字もそ...