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541話

「宣。」

皇甫永焱は眉をわずかに寄せた。

この時期、沐英は北方の国境を守っているはずだが、なぜ突然帝京に戻ってきたのだろう。

しかし、すでに来ているのであれば、会わない理由はない。

皇甫永焱の一言が発せられると、伝侍官はすぐに声高く宣言した。「陛下の仰せにより、沐英郡主の参内を許す!」

声は殿内から発せられ、殿外に響き渡った。

半分ほど経つと、殿外から足音が聞こえ、沐英が殿内に入ってきた。戦甲を身にまとい、凛々しい姿で片膝をついて礼をとる。

「鎮北王府の沐英、陛下に拝謁いたします。わが皇、万歳万歳万々歳!」

彼女は皇甫永焱と親しい間柄で、普段は兄妹のように呼び合っていたが、ここ...