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537話

「轟!」

凄まじい気が一瞬にして八方に爆散した!

楚修は両手で異獣が開いた大口を押さえていた。その歯の間からは唾液が狂ったように流れ出し、吐き気を催すような悪臭が漂ってきた。

殿内の調度品はすべて、この一撃の衝撃波によって灰と化していた。だが、激しい衝突から生じた気は周囲を猛烈に揺るがしながらも、大殿の外へは一切漏れることなく、すべて姜清妍の遮蔽術によって封じ込められていた。

「どれだけ持ちこたえられるかな?!」

「我が腹の糧となるのも、お前の生涯における栄誉だぞ!」

かすれた「ケケケ」という笑い声が、五番目の黒衣が化した異獣の喉から発せられた。冷たく血に飢えた声とともに、その怪物...