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530話

黒い炎と黒い雷が轟き、その爆音は山々の間に響き渡り、長く余韻を残していた。

十数秒ほど続いた後、すべてが静まり返った。

天一峰を見れば、かつては静謐で美しかった総閣の庭園は、今や完全に廃墟と化していた。残された壁や柱はあちこちで崩れ落ち、惨憺たる有様だ。

古桓の姿はもはやどこにも見当たらない。

占い師の老人はこの光景を目にし、顔に傲然とした色を浮かべ、非常に満足げだった。

彼の見るところ、これは明らかに古桓が自分のさっきの一撃を恐れて、逃げ出したということだ。

「ご主人様、古桓は逃げました」

占い師の老人の背後で、先ほど南城の戦場で楚修と対面した妖しい男が、天一閣の...