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528話

二人の黒装束が後退した瞬間、楚修の瞳が僅かに凝固した。

この二人が自分の手にある天蒼剣を恐れている——楚修はそれを一瞬で見抜いた。

なぜ彼らがこの剣を恐れるのか、天蒼剣は彼らにとって何を意味するのか。

今の楚修にはそれを詳しく考える時間などなかった。戦いの最中では、わずかな差が勝敗を分けるのだから。

剣を手に、楚修は瞬時に二人の黒装束へと突進した。

対する二人は天蒼残剣の出現によって一瞬の恍惚状態に陥っていた。

まさにその隙を突いて。

二筋の剣光が一閃した!

「斬る!」

低い一喝。

楚修の姿はすでに二つの影の背後に現れていた。

黒装束の二人は、その場...