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52話

弦が切れる、林雪が三歩目を踏み出した瞬間。

一瞬にして解き放たれた弩弓の矢が、風を切る鋭い音を立てながら、猛烈な速さで林雪の心臓めがけて飛んでいった!

ドン!

しかしその同時。

教室のドアが蹴り飛ばされ、床に落ちた時には重い鉄のような音を立てた。ドアには数百斤もの重さの鉄板が補強されていたことが明らかだった。

普通の人間なら、外から眺めるだけで終わっていただろう。

林紫の狙いは、楚修に妻と娘が弩矢に射抜かれるか、毒蛇に噛まれて死ぬところを外から見せつけることだった。

「俺がいる限り、お前は死なない。永遠にな」

目を閉じていた林雪は、その声を聞いた瞬間、ハッと目を...