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519話

この隊列の中で、東の方角に一行があった。

「将軍、これらの異族は少し様子が変です」

この時、数人の「異族」がいた。外見上は周囲の異族と何ら変わりないように見えるが、ひそかに人間の言葉を話しており、明らかに人族だった。

「うむ、むやみに動くな。静観して様子を見るのだ」

これら数人の異族の中の首領から、かすれた声が聞こえた。

その声は、先に異族の門に巻き込まれた鬼鴉のものだった。

「はい」

「承知しました」

他の数人の「異族」たちは命令を聞くと、皆小声で了承し、その後この「異族」たちは異族の大部隊と共に、中央にある巨大な黒い島へとゆっくりと近づいていった。

この黒い海面もまた不思議なものだった。...