Read with BonusRead with Bonus

498話

「ああ」

楚修は姜清妍に一言だけ返した。

本来なら姜清妍がどこへ行こうと彼には関係なかったし、ここに残っていても邪魔になるだけだ。女というのはいつもぺちゃくちゃとうるさく、人を落ち着かせない。

「天命の特別な者」

「老人」

姜清妍の言葉から、楚修はいくつかのキーワードを抽出した。

この「老人」というのは、きっと姜清妍たち無極聖人の中で最も上位に立つ存在のことだろう。長い歳月を生きてきた老人で、無極聖人が生きられる最高年齢から考えると、おそらくこの老人は今や五百歳に近いのではないか。

丸々五百年も生きた怪物じみた老人の経験と深謀遠慮は、想像を絶するものだろう。

五百年という歳月—...