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497話

「昔に旱魃(かんばつ)あり、千里に祸(わざわい)を遗す」

旱魃の持つ威力がいかに恐ろしいものかは、これによって明らかである。

周睿は若い頃、偶然一冊の古書を手に入れたことがあった。その中には強大な旱魃の錬成法と、旱魃を完全に支配する方法が記されていた。

今や周睿は「無極丹」を用いて、自らを無極の境地へと到達させていた。

それが本当の無極の境地なのか、誰にも断言できないが、少なくとも周睿自身の目には、確かに無極の力を得たと映っていた。

周睿にとって、それで十分だったのだ。

しかし、この境地に達したからこそ、周睿はより明確に感じ取れるようになった—この世界に潜む危険を。

この世界は、周睿...