龍神降臨

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456話

夜、冷たく寂しい。

空には満月が掛かり、また一ヶ月の半ばを迎えていた。

龍城、龍城衛府。

当直中の鉄狼は、突然眉をひそめた。空気の中に殺気が漂っているのを感じたのだ。これは職業軍人の戦場での直感だった。

案の定、龍城衛府の外には突如として大勢の兵士が現れ、全員が完全武装で龍城衛府の建物を包囲していた。

「鉄副統領、大変です!」

外から急ぎ足の音が聞こえ、ドアが勢いよく開かれた。

鉄狼は慌てて駆け込んできた部下を見上げたが、表情は平静だった。

「命令を下せ。皆に動くなと伝えろ」

そう言うと、鉄狼は立ち上がり一人で事務室を出た。彼の身のこなしなら、これらの兵士に...