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445話

その時、同じ刻に。

帝京龍城、九州国際総店。

龍帝が二日間滞在して以来、この九州国際総店の最上階スイートは「龍帝専用」として指定され、もはや一般客には提供されなくなった。ただし、一人だけ例外があった。

それは、林紫である。

結局のところ、この女性は龍帝と共に寝る仲であり、将来は宮中の妃となる可能性が高いのだから、ホテル側は林紫のあらゆる要望に全力で応えていた。

林紫もここ数日ずっと九州総店に滞在し、龍帝からの冊妃の詔書を静かに待ち続けていた。

だが彼女がどれほど待っても、一向に知らせは来なかった。

君子は戯れ言を言わないというのに、龍帝はベッドの上で彼女を恵妃に封じると明言したはずだ...