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406話

全員の視線は、瞬時にドアから聞こえた声に引き寄せられた。

範波も思わず見やったが、見知らぬ顔を見た途端、軽蔑の笑みを浮かべた。

彼は幼い頃から帝京で育ち、成年後に先祖から伯爵位を継承した、言わば生粋の坊ちゃん育ちだ。幼少期から帝京の街を歩き回った経験から得た利点が一つある。それは帝京の権力者たちの顔をすべて知っていることだ。

これで手を出してはいけない相手を避けられるのだが、目の前のこの男については、まったく見覚えがない。

そして範波の潜在意識の中では、帝京城内において、自分が知らない人間はすべてゴミ同然に扱っても構わないのだ。

「お前は何のゴミだ?」

範波は傲慢な表情...