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384話

「東宮」──皇太子皇甫永安の怒声が絶え間なく響き渡り、東宮の者たちは誰一人大きく息をすることさえ恐れていた。

「お前は何をしていたのだ?!」

「朕はただ少し金を工面しろと言っただけだ。それなのにお前は西北三省すべてで民衆暴動を引き起こしたのか?百万の民が大規模デモを起こしている。その犬の目を見開いてよく見るがいい!」

皇甫永安は目の前の中年男性を見つめ、体面を気にしなければ平手打ちを食らわせていたところだった。

この中年男性こそ、現朝の戸部尚書である耿斌であった。

「殿、殿下、どうかお怒りを鎮めてください。臣も事態がこのようになるとは思いもよりませんでした」

耿斌は渋々言い訳した。...