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344話

「久しぶりだな、雲鹿」

楚修は淡々と口を開いた。雲鹿の方を振り向くこともなく、自らの指先を噛み破り、テーブルの上に何かを静かに描き始めた。

「龍帥様がご無事でいらっしゃるとは、我ら秘境の百万の将士にとって何よりの幸せでございます!」

その懐かしい声に、雲鹿は激しく胸を震わせた。一年以上も待ち続け、その間には落胆や絶望、疑念もあった。だがどうあれ、今日ついに龍帥の帰還を迎えられたのだ!

「よく聞け、五分必要だ」

楚修は表情を平静に保ったまま告げた。

今や彼の指先から滲み出る鮮血には、わずかに古びた金色の輝きが混じっていた。テーブルの上には極めて奇妙で神秘的な陣が、楚修の血で描かれ...