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340話

「龍帥、秦王が府を出られました」

張道玉は楚修の傍らで、腰を低くして小声で告げた。

「彼を連れ出せ」

楚修は淡々と言った。

「はい」

張道玉はヴィラの大広間の左側へ向かい、張弛は慌てて楚修に向かって深々と一礼をした後、張道玉の後に続いて脇門から出て行った。

張弛はこの麒麟の才子が自分を呼んだ目的も、先ほどの質問の意味も理解していなかった。しかし不思議なことに、この麒麟の才子から受ける印象は、天をも貫くような自信に満ちていた!

まるで彼の口から何かが発せられれば、それがそのまま現実になるかのようだった。

三分後、急ぎ足の足音がヴィラの大広間の外から聞こえてきた。

夜明けの光が差...