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321話

鄭洪昇は非常に興奮していた。

天麟集団は時価総額数千億の企業で、彼はその副社長として、確かに外見上は華やかな立場にいるように見える。だが、鄭洪昇自身だけが知っていた。その華やかさは外部の人間から見た場合だけのものだということを。

天麟集団の上層部内では、彼は発言権を持たない孫のような存在に過ぎなかった。

彼は天麟集団の五人の副社長の中で最下位に位置するだけで、その上には社長がいて、取締役会の執行役員たちがいて、さらには会長がいる!

集団の会長こそが、天麟集団で一言九鼎の真の支配者なのだ!

しかも天麟集団の会長は極めて神秘的な人物で、鄭洪昇が今や副社長の立場にあり、天麟集団に...