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320話

帝京、高鉄東駅出口。

楚嵐はピンク色のリュックを背負い、大きな旅行かばんを引いていた。

彼女と同行していたのは男子二人と女子二人の計四人で、楚嵐を含めて五人全員が南城市から帝京大学への推薦入学が決まった学生たちだった。ただし、それぞれ異なる高校の出身だった。

今年の帝京大学では「未来の星サマーキャンプ」という企画が用意され、各地の推薦入学生を対象としていた。その目的は、これらの「天才たち」に事前に大学の環境や各学部の設置状況に慣れてもらい、サマーキャンプを通じて自分の専攻への興味を探り、正式入学後の進路決定に役立ててもらうことだった。

「みんな、これから私の叔父さんの車に乗るわ...