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318話

秦王府邸。

この王府の隣には、春の息吹に満ちた庭園があり、「春園」と名付けられていた。この名前が付けられた理由は、庭園内の植物が多く常緑樹であり、一年中まるで春のように見えるからだった。

庭園内には合計五棟の別荘があり、東西南北中央に建てられていた。東西南北の四つの副邸が、中央にある三階建ての主別荘を守るように配置されていた。

今、この主別荘の一階ホールで。

魏国公府から戻ったばかりの楚修は、一枚のリストを見ていた。これは古羽が人を使って密かに届けさせた書類で、そこには必要な薬材が記録されており、どれも極めて陽性で強力なものばかりだった。

「紫火茯苓」、「千金参」、「九曲金...