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309話

「私が調合した薬に問題はないはずなのに、どうして目を覚まさないんだ」

古羽は眉間にしわを寄せていた。彼が使ったのは最高級の薬材だ。万年火霊芝のようなレベルの薬材を少なくとも三種類も主薬として用い、他にも数え切れないほどの良薬を配合していた。

林雪の命を救うための薬を準備するため、彼は帝京の天一閣をすみずみまで探し回ったのだ。

古羽から見れば、このように調合された薬は、林雪のような怪我どころか、何倍も深刻な状態でも問題なく効くはずだった。

診察を始める前、彼は自分の調合した薬と自らの医術に絶対の自信を持っていた。

しかし今、林雪はどれほど古羽が診察しても、昏死に至るような怪我...