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304話

「まだ終わってないのか!」

「もうすぐお客様を迎える時間なのに、何をぐずぐずしている?!」

「五分以内に終わらせないと、今夜の夕食抜きだからね!」

赤いチャイナドレスを着た中年女性が、今なお色気を漂わせながら、香水の匂いを振りまきつつ少年の傍に歩み寄り、大声で叱りつけた。

この女性の名は紅姐、紅楼の楼主である。一般的に言えば、いわゆる女衒(ぜげん)だ。

しかし特筆すべきは、この女衒は外の一般的な女衒とは比べ物にならない。

紅楼の楼主は、れっきとした朝廷の公職であり、専門の定員枠があり、その地位は普通の県や市の長と同等かそれ以上なのだ。

「はい!紅姐!」

「すぐに...