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291話

数百台の四輪駆動車がこの山道を疾走していた。鉄狼は先頭車の助手席に座り、フロントガラス越しに前方の山の様子を見つめていた。

眉間に僅かに皺が寄る。

「戦闘準備だ」

長年の戦場での血みどろの戦いで鍛えられた鋭い勘が、前方の山の斜面に多数の伏兵がいることを鉄狼に告げていた。躊躇なく命令を下す。

鉄狼の言葉が発せられるや否や。

案の定、前方の大きなカーブの位置、山の側面から無数の人影が姿を現し、一瞬にして銃口から火花が噴き出した!

しかし、これらの伏兵に比べ、鉄狼の命令の下、数百台の四輪駆動車内の龍神衛の発砲はさらに速かった!

先ほど鉄狼が命令を下した瞬間、すべての車窓は...