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230話

「はい!」

警備団長は直立不動の姿勢をとった。彼には今の欧陽堂の怒りが手に取るように感じられた。欧陽堂に仕えて七年、警備団の班長から団長にまで上り詰めた彼だが。

こんなに激怒した欧陽堂を見るのは初めてだった。彼は一瞬たりとも躊躇わず、すぐに欧陽堂の軍令を伝えるために踵を返した。

「待て」

欧陽堂は心中で怒りの炎が燃え盛っていたが、理性を失ってはいなかった。

彼は士官学校を卒業し、軍に入った当初はたった一人の副連長に過ぎなかった。それが軍区司令にまで上り詰め、さらに西江軍区の兵権を十数年も掌握できたのは、並の人物ではないからだ。結局のところ、軍を率いる将領にとって最も重要なのは、戦場で...