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150話

二羽の黒い蝶が、ゆっくりと近づいていく…

なぜだろう、その二羽の黒蝶を見た瞬間、赤髪の女は自分の心臓が突然激しく鼓動するのを感じた!

「もういい、先に仕事を終わらせよう」

「逆行倒流」の術者として、赤髪の女はよく分かっていた。「血煉」を開始さえすれば、基本的に完了したも同然だ。彼女自身でさえ、第三段階の血煉「逆行倒流」が始まれば中断できないのだから。

そう心に決め、赤髪の女は視線を戻し、振り向いて「血煉」の最後の一歩を完成させようとした。

だが、振り返った瞬間、彼女は凍りついた。

驚愕のあまり一歩後ずさった。

なぜなら、目の前に一人の男が立っていたのだ。

背筋を...