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110話

天一閣分閣。

楚修が戻ってきた時、すでに夜の十時きっかりだった。

彼は急いで林雪が療養している部屋へと向かったが、ドアの前で古羽に足を止められた。

「遅かったな」

古羽は楚修を見て、頭を振りながらため息をついた。

「どういう意味だ？！」

楚修は眉をひそめた。鉄狼は電話で明確に言っていたはずだ、林雪に目覚めの兆しがあると古羽自身が言ったと。

「嘘じゃない。確かに目覚めの兆しはあったんだ。ただ、その兆候がまた消えてしまっただけさ」

「でも娘さんと義姉さんにここに泊まってもらうのは効果があるよ。明日突然目を覚ますかもしれないしな」

古羽の言葉を聞いて、楚修の眉間の...