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89話

「安心してくれ、今夜の分はたっぷりあるから」

梅龍がそう言うのを聞いて、淘兄は安心した。やっとうまいものが食えると思うと、すぐに四皿のキュウリとトマトが運ばれてきた。淘兄は梅龍に遠慮することなく、トマトの皿を一つ手に取り、パクパクと食べ始めた。

若い男は淘兄の汚い食べ方を見て、本当にそんなに美味いのかと思い、そっとキュウリを一切れ口に運んだ。一口食べた途端、これはたまらない、まさに極上の味だった。

十分もしないうちに、二人は四皿の冷菜を平らげてしまった。淘兄は名残惜しそうに箸を置き、梅龍に少し申し訳なさそうな顔を向けたが、食欲は理性に勝った。

「あの、梅兄弟、ま...