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73話

自動車販売センターは県の西側、郊外にあって、道路の両側には4sショップが立ち並び、メルセデス・ベンツ、BMW、アウディなど、この県では最高級の車が揃っていた。

男として、自分だけの愛車を持つことは必須だが、正直なところ、梅龍はもはやこれらの車に魅力を感じなくなっていた。

しかも初めての車に、自分の好みでない車にお金を使うつもりはなかった。薛宝貴を振り返ると、頭の中でアイデアが浮かんだ。

薛宝貴は梅龍に見られ、一瞬戸惑った。彼は梅龍の視線が何とも不思議に感じたが、特に何も言わなかった。

今、梅龍の手元には二十五万ほどしかなく、中級車しか買えない。二人は半日ほど見て回った末、結局メルセデス・ベンツ...