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41話

「何?」朱海は一面に災いを喜ぶような表情を浮かべる梅龍を見つめ、目から怒りの炎が瞬時に噴き出した。最後に梅龍に一杯食わされたとは。腹が立つのは当然だが、それでも歯を食いしばって声を上げた。

「八百万」

梅龍は朱海が八百万と叫ぶのを聞いて、心の中で「八百万なら悪くない」と思いながらも、これ以上値段を上げれば朱海が競りを諦めてしまうのではないかと恐れた。そうなれば元も子もない。だから黙りこくっていた。朱海は梅龍が怯んだと見て、内心得意になったが、梅龍もまた心の中で同じように災いを喜んでいることなど知る由もなかった。

「八百万、一度目。八百万、二度目。八百万、三度目。落札」

「パン」と音を立てて...