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285話

「立ちなさい。ここは私設研究所だ。部外者が勝手に入ることはできない」

「あの、私たちは易老の友人なんですが、連絡していただけませんか。梅龍が訪ねてきたとお伝えください」

警備員は梅龍が嘘をついているようには見えないと判断し、二人をしばらく観察した後、ようやく一人がトランシーバーで研究所内の受付に連絡した。受付は警備員からの連絡を受けると、上司に報告し、その報告は階層を上がっていき、ついに易老の耳に届いた。

その時、易老は会議室で会議中だったが、梅龍が訪ねてきたと聞くや否や、会議どころではなくなった。何よりも梅龍に会うことが重要だった。

「皆さん、今日の会議はここまでにしましょう。明日続...