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251話

空が完全に暗くなった後、梅龙は若い男の宿泊する部屋の前にやってきた。入口には二人のボディーガードが立っており、がっしりとした体格から並の人物ではないことが一目で分かったが、梅龙の目には全く物足りなかった。傭兵王と呼ばれる「閻魔」さえも敵わない腕前を持つ梅龙にとって、この程度の相手は眼中にもなかった。

この二人のボディーガードはいかつい体格をしていたが、梅龙の手にかかれば三合ももたないだろう。三合と言っても多すぎるくらいで、梅龙が本気を出せば、一撃で片付けることもできるのだ。

「止まれ。何の用だ?」一人のボディーガードが尋ねた。

「お前たちの若旦那に伝えろ。梅龙が来たと」

梅龙の落ち着い...