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218話

七時半、一行は時間通りに出発し、県政府の招商事務所に到着した。入札会は九時に始まる。今は、皆が事務所でくつろいでいる。梅龍は黒いスーツを着ており、異様に格好良く見えたが、事務所に入るや否や、不釣り合いな声が聞こえてきた。

「おや!これは我らが農民起業家じゃないか?スーツを着ると、もう少しで誰だか分からないところだったよ」

話していたのは他でもない、朱海だった。梅龍は朱海のこの横柄な態度を見て、すぐに二歩前に進み、礼儀正しく右手を差し出した。知らない人が見たら梅龍が折れたように見えるが、梅龍だけが自分の真の意図を知っていた。

朱海はさらに嘲笑うつもりだったが、梅龍の行動に考えが中断された。...