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188話

三人は車から降り、小道に沿ってゆっくりと山を登り始めた。駐車場の近くから見ると、この季節にもかかわらず山に来る人は少なくない。梅龍は少し不思議に思った。もう十一月で気温もかなり下がっているはずなのに、こんなに多くの人が山に登るとは。

しかし梅龍が口を開く前に、呉姐が先に説明し始めた。「龍くん、この人たちは私たちとは違うのよ。温泉に入りに来てるんだから」

「温泉?ここに温泉があるんですか?」梅龍は驚きの表情を浮かべた。

「そうよ。でも小さな温泉だから一般の人はあまり来ないわ。基本的に温泉に入るのは外から来た人か、沁県に親戚や友達がいる人が見に来るくらいね」

呉姐の説明を聞いて、梅龍も見て...