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157話

「わん、わん」と犬の鳴き声が聞こえたのか、姫老は急いで別荘から出てきた。海老爺さんが来ているのを見て、すぐさま出迎えに歩み寄った。

二人の老人は固く手を握り合い、まるでテレビドラマの諜報員たちが遂に対面したかのようだった。

「姫兄貴、こんな遅くに押し掛けて済まないね」

「なに言ってるんだ、老海。私が来てほしいと言ったんだろう?そんなこと言うなんて、わしの顔に泥を塗るようなものじゃないか。さあ、中へ入ってくれ。宝物を見てもらおう。気に入れば、持って行くといい」

「ありがたい」

そう話しながら、梅龍たちは海老爺さんの後に続いて家の中へ入った。姫老の家は海老爺さんの家とは装飾のスタイルがまったく異な...