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116話

君美大ホテルに戻ると、梅龍は吳兄の事務所に向かったが、意外にも吳兄はそこにいなかった。幸いにもロビーマネージャーが急いで近づいてきて、吳兄が商談中であることを教えてくれた。さらに都合よく、吳兄は梅龍が来たらすぐに合流するようにとロビーマネージャーに指示していたのだ。

梅龍は何が起きているのか分からなかったが、ロビーマネージャーに言った。「この二人をよろしく頼む。俺は吳兄のところへ行ってくる」

「かしこまりました、梅社長。ご安心ください、必ずお二人をお世話いたします」

梅龍はそれ以上何も言わず、吳兄がいる個室へと真っ直ぐ向かった。

「コンコンコン」梅龍はドアをノックした。

「どうぞ」

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