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112話

梅龙は薔薇会所を出ると、真っ直ぐに「只手摭天」へ向かった。その威勢のいい看板を見て、梅龙は思わず冷笑した。本当に自分が天下を手中に収めたつもりか。今日こそ、この膿を潰してやる。

中に入り、フロントに立つと、受付は頭も上げずに言った。「一時間百六十元です。小部屋は埋まってます。中部屋と大部屋のみで、三時間ご利用なら一時間サービスします。何時間ご利用ですか?」

「ふふ、七兄貴を探してるんだが」梅龙はにこやかに言った。

受付はようやく顔を上げ、農民のような格好をした梅龙を見て、心に軽蔑の色を浮かべながら言った。「七兄貴なんて私も会えませんよ。そんな資格ないです。奥に行って、腕に刺青の入った人が...