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94話

肖宇は既に諦めの表情を浮かべている犯人を引き連れて二本の通りを歩き、ようやく葉雪泠が運転してきたパトカーを見つけた。

犯人を後部座席に放り込むと、肖宇は葉雪泠の後に続いて運転席の横へと歩み寄った。

葉雪泠が車のドアを開け、二人が手錠で繋がれた手首を見ながら、その場に立ったまま眉をわずかに寄せた。

今回の作戦はそもそも秘密調査だった。葉雪泠は深夜に手掛かりを見つけ、一人で果断に動くしかなかったのだ。

単独行動の欠点は、彼女が肖宇と手錠で繋がれたまま車を運転できないことだった。

肖宇は気楽に口笛を吹きながら、考え込む葉雪泠の様子を見て、眉を片方上げた。

「ねぇ、美人お巡りさん、そのオシャレな手錠を...