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84話

肖宇は猛スピードで逃げる銀霜が突然足を止めるのを見て、先ほどの鋭利な袖箭を思い出し、身を低くしながら、地面から小石を数個手に取り、指の間に忍ばせた。

全神経を集中して警戒している時、あの淡い青い瞳に浮かんだ決意の色に、肖宇の瞳孔が思わず縮んだ。

彼女が手を赤い唇に当てようとするのを見て、肖宇は手首を素早く動かし、三つの小石が連続して空気を切り裂いた!

一つ目は指に当たり、銀霜の手が思わず開いた。

次の一つは手首に命中し、白い手が後ろに反った。

最後の一つは銀霜の肘の内側を打ち、激痛で腕が後ろに跳ね上がり、手の中の薬が放り出された。

「あっ!」

その絶妙な飛石の技に、銀霜は激痛とともに...