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665話

「中隊長の怒号を聞きながらも、その大柄な男は反抗の言葉を返し、傲然とした態度を崩さなかった。

「忘れてないだと?忘れてないなら黙れ!軍人の本分は服従だ。俺たちがここにいるのは上からの命令だ。やる気がないなら、その軍服を脱ぎ捨てて、さっさと消えろ!俺の部下に命令に従わない兵はいらん!」

中隊長が本気で怒り出したのを見て、その大柄な男も一瞬たじろぎ、唇を固く結んで、怒りを押し殺したまま黙り込んだ。

実は衛龍だけでなく、その場にいた全ての仲間たちも、あの演習の後から胸に鬱積した思いを抱えていた。

彼らが負けたのは実力でもなく、対応力でもなく、仲間を見捨てないという信念においてだった。それをど...