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640話

そう言うと、呂郷長の顔にゆっくりと不気味な笑みが浮かび上がった。

「だから、さっきあなたが私にくれた言葉を、そのまま返しますよ」

「勝負は賭けた時点で決まり、結果は自分で責任を取れ」

彼はゆっくりと手を前に伸ばした。その姿は肖宇と賭けをする賭博師というより、カードを配るディーラーのようだった。

まるでこの勝負とは何の関係もないかのように見える。

「私が選ぶ番になったということですか?」

肖宇は彼と目を合わせ、思わず口にした言葉は、まるで自問自答のように聞こえた。

「この呂郷長、こんなに下手な芝居を打つということは、わざと罠があることを教えているようなものだ。それに、さっきまで協力を頑なに拒んで...