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634話

「おう、こいつを始末するってことか、問題ない」

その低くて少し不明瞭な声を聞いて、肖宇は思わず言った。

微笑みを浮かべながら袖をまくり上げる彼の姿に、さっきまでほんの少し安堵していた青年は、ゆっくりと近づいてくる肖宇を見て、勢いよく半身を起こした。

胸と腹部の引き裂かれるような痛みに耐えながら、全身の力を振り絞って叫んだ。

「待ってくれ!」

「ああ、何を待つんだ?」

肖宇は目を剥いた青年の狂気じみた様子を見て、少し驚き、持ち上げかけた手首をそっと下げた。

手に持った短く鋭い飛剣が、月明かりの下で冷たい光を放っている。

「ごくり」

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