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609話

その青年の鉄面皮な様子を見て、肖宇は驚いて眉を上げ、目に賞賛の色が浮かんだ。

「兄ちゃん、なかなかやるじゃないか。お前のやり方は俺よりもスケールがでかいな。だが、そういうのは俺の好みだ。頼りになる!」

彼は腕を組み、ただ傍観者として立っていた。

だが次の瞬間、肖宇は憎悪に満ちた視線が自分の顔に向けられているのを感じた。

その男の怒りの矛先が自分に向くことは、肖宇にとって予想の範囲内だった。

大波に流される砂のように、無能な者が無能である理由は、自分自身に不足を見出すことなく、常に失敗を他人のせいにするからだ。

運命の不公平を嘆くことはあっても、背筋を伸ばして自分自身を省みることはな...